上橋菜穂子の本・続

今日ご紹介するのは、昨日の続きで、上橋菜穂子さんの『守り人シリーズ』です。

バルサという、武術に秀でた女性が国の王子を助けることから、物語は始まります。国の王子チャグムと、その用心棒となったバルサ。二人を中心に国は動き出します。全十巻にも渡る長いシリーズですが、次第に明らかになっていく国の容貌と、また、他国との駆け引きは、戦国物の好きなお子さんにもお薦めしたいシリーズです。


上橋菜穂子さんは、学生時代、オーストラリアの先住民である、アボリジニとの文化の違いを研究していました。作品は全て、そのときの研究の後に書かれたもので、それだから、上橋さんは「作品のルーツはそこにあるかもしれない」とシリーズ最後の本のあとがきでおっしゃっていました。


上橋さんの作品のカラーですが、異国物が多いです。また、主人公が国などの大きな存在のあるものに巻き込まれていきます。また、上橋さんの尊敬する方は、処女作である『精霊の木』を読んで、「あいつならこの1冊に書かれているエッセンスで5冊は書ける。」と匂わすようなことを仰ったとか。それくらい、始めのころから才能をうかがわせてたんですね。


では、また。